スタッフブログ

弊社がリサーチをお手伝いした「グローバル ディベート ウィズダム」が再放送予定!

弊社がリサーチをお手伝いした「グローバル ディベート ウィズダム」が8月30日に放送されましたが、9月7日午後2時から再放送の予定です。

長年アラブに親しんできた我々も心を痛める事態が続いております。
中東の今後に安定の光が見えることを願ってやみません。

【放送予定のお知らせ】
グローバルディベートWISDOM「中東動乱 世界はどう変わる」
チャンネル:BS1
放送日時:2014年9月7日(日)午後2:00~午後3:50(110分)※再放送

公式サイトより>

【中東動乱 世界はどう変わる】

 ガソリン価格が高止まりしている。1リットル当たり170円に迫り、生活必需品の価格上昇にもつながる「オイルショックの再来」への懸念も出始めた。原因は泥沼化するイラク情勢だ。今年6月、イスラム教スンニ派の過激派組織が、隣国シリアにまたがる地域を制圧し、「イスラム国」の樹立を宣言。その影響が中東全体に拡大しているのだ。

 背景にあるのはオバマ政権の「不介入政策」だ。去年、アメリカは、シリアのアサド政権打倒を目指して、武力行使を検討したが断念。アサド政権を擁護するロシアの仲介を受け入れ、結果的にアサド政権の延命を許した。そして、この決断はこれまでアメリカとともにアサド政権と対立してきた中東諸国の反発を招き、サウジアラビアはシリア国内の反政府勢力の支援を強化。それが、当時シリアで反政府活動をしていたスンニ派の過激派組織の勢力拡大につながった。さらに、「イスラム国」の樹立宣言後もアメリカが介入を避け続ける中、イラクではクルド人も独立の動きを強め、国家分裂の危機に陥っている。「世界の警察」の役割から距離を置くアメリカ。国際社会への影響力を強めようとするロシア。そして宗派、民族対立の激化。イラク情勢は、まさに変動期にある世界情勢を映し出している。

 分裂の危機に陥っているイラクに対し、中東で勢力を拡大する動きを強めているのがイランだ。イランは、同じシーア派のイラク・マリキ政権との関係を強め、過激派組織を掃討するために精鋭部隊「革命防衛隊」を動員。こうした中、イラクへの軍事介入に消極的なアメリカは、これまで核開発問題で対立を深めていたイランに接近し始めている。しかし、これは、サウジアラビアを始めとするアメリカの友好国から不信を買い、中東のパワーバランスを動揺させている。
 さらに、イラク情勢は、中東の国境線を再編させる可能性をはらんでいる。「イスラム国」の目的は、第一次世界大戦時にイギリスとフランスなどが交わした「サイクス・ピコ協定」によって作られた国境線の破壊だ。当時のオスマン帝国をイラクとシリアなどに分断したこの協定による体制を破壊し、再びイスラム国家を統一すべきだと主張しているのだ。この主張はイラクの周辺国で支持を集め始めており、西側が定めた中東の地図は、いま、大きく揺らいでいる。

 大きく変動する世界の情勢は、イラク問題にどのような影響を与えたのか?今後、中東地図はどう変わっていくのか?流動化する中東秩序に国際社会がどう向き合うべきかを、世界のウィズダムが議論する。
(NHK-BS)

keyboard_arrow_up