イスラームの祝祭とサウジアラビアの二聖都メッカとメディナ
イスラームの大きな祝祭は2つあります。
どちらも、西暦ではなく、太陰暦であるイスラームの暦、「ヒジュラ暦」に基づいて行われるため、毎年おおよそ11日前にずれていき、季節は一定ではありません。
祝祭のひとつは、ラマダーン(断食月)明けのお祭り、「イード・ル・フィトル」。
ヒジュラ暦10月(シャウワール)の1日から3日間行われ、「小イード」とも呼ばれます。
もう一つが、犠牲祭、「イード・ル・アドハー」。
こちらは、ヒジュラ暦12月(ズル・ヒッジャ)の10日から4日間で、「大イード」と呼ばれます。
ズル・ヒッジャ月10日とは、「ハッジ」と呼ばれるイスラームの大巡礼の中日に当たります。
ちなみに、2015年は、9月24日からでした。
「ハッジ」とは、イスラームの「五行」のひとつで、可能であれば一生に少なくとも1度は行わなければならないとされるムスリム(イスラム教徒)の義務のひとつとなっています。
ヒジュラ暦12月(ズル・ヒッジャ)の8日から聖地メッカを訪れるこの「大巡礼」に対して、別の時期に「メッカ(マッカ)」を訪れる場合は「ウムラ(小巡礼)」と呼ばれ、区別されます。
今年のハッジには、世界中から200万人近くが集まったそうです。
世界のムスリム人口は15億人を超えており、ハッジ希望者はこの数字よりもはるかに多いはずなのですが、現実問題としては、サウジアラビアも希望者のすべてを受け入れられるわけではありません。
サウジアラビアも、鉄道インフラの整備を行うなど、聖地巡礼の環境整備には力を注いでいるようです。
また、今年のハッジでは、将棋倒し事故が起こり、悲しいニュースとなりました。
そんなハッジの写真を少しご紹介します。
メッカと並ぶもう一つの聖都が「メディナ(マディーナ)」で、預言者の街です。
預言者ムハンマドの時代から1400年経ち、当然のことながら、町も様変わりですね。