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イラン:カーシャーンの商人の館

イランの首都テヘランと古都エスファハーンのちょうど中間あたりに「カーシャーン」という町があります。

人口25万人ほどのオアシス都市で、古くから絨毯や絹織物の産地として栄えてきました。

タイルの町としても知られ、「カーシャーン」という都市名自体、語源はタイルからきているそうです。
植物などの曲線的な紋様の色鮮やかな青いモザイク・タイルはイランのたくさんのモスクで使用されています。

また、イランの国の花であるバラの産地としても有名で、ローズウオーターも特産品のひとつです。

イランで建築や修復を専門とする方と話をしていると、必ず出てくるのが、この「カーシャーン」なんです。

建築の装飾や修復には大変費用がかかりますが、カーシャーンには、そうしたことにお金をかけることができる裕福な人が多いという話でした。

カーシャーンにある建築物として有名なのは、19世紀に建てられた3つの商人の邸宅です。

そのひとつ「タバータバーイー家の邸宅」の写真を少しご紹介します。

絨毯商人として富を築いたハーネイェ・タバータバーイー氏の私邸は、全体の面積が5000㎡にも及ぶ大邸宅で、4つの中庭、40の部屋、4つの地下室、3つのバードギール(風採り塔)などで構成されています。

シーラーズのピンクモスクのステンドグラスを以前ご紹介しましたが、この邸宅のステンドグラスには、そうした派手さとは異なる落ち着いた美しさがありますね。

その他、カーシャーンには、2011年にユネスコの世界文化遺産に登録された「ペルシャ式庭園」のひとつである「フィン庭園」があります。

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