エスファハーンで出会ったザリバフを織るおじいさんと住宅
イランのエスファハーンで、「ザリバフ」という伝統な織物を作っているおじいさんに出会いました。
ザリバブを作って60年の職人さんです。
これがおじいさんの作品です。
ザリバフは非常に高級なシルク織りで、高いものだと80cm×1mほどの大きさで1200US$もします。
壁に飾ったり、テーブルに置いたりするそうです。
ザリバフには2500年以上の歴史がありますが、特に、ササン朝ペルシャの時代や、エスファハーンが世界の半分と言われたサファヴィー朝の時代に、芸術性の高い織物が作られました。
サリバフの糸↓です。
「ザリ」には「金」という意味があるそうで、一番手前が金の糸です。
ザリバブを作っているおじいさんの家↓です。
この伝統的な住宅には、木製の上げ下げ窓「オローシィ」がありました。
「オローシィ」は、上下に開閉するため、ドア周りの場所を取らず、木枠なので軽いため、家や宮殿などさまざまな場所で使われていたようです。
構造的には、木枠の中に重りが入っており、女性でも簡単に大きな重い窓を持ち上げることができるようになっています。
この家の「オローシィ」は、築後200年経った現在でも、不具合なく普通に使用されていました。
機能面だけではなく、外観も風情があってとても素敵ですね。
ついでにといってはなんですが、このあたりの住宅の豆知識をひとつ。
ドアには、異なる2つの形の鉛製ドアノックがつけられています。
住人から聞かれる一般的な説明では、
上のほうにある棒状の重い響きのあるドアノックが男性客用、
ドアの真ん中あたりにあるわっかの形をした軽い音がするドアノックが女性客用で、
家の誰が訪問者の性別を把握して対応するのに役立ったんだそうです。
ただし、取材した建築家の話によると、
実際には、
棒状の重いドほうが、家の者をよく知っている人がならすもの使用するドアノックで、
ドア中央にあるわっかの形をした軽いほうが、未知の人がならすドアノックだったそうです。
どちらの説もそれなりに納得できます。