映画『歌声にのった少年』のモデルが育ったのはパレスチナ自治区
映画『歌声にのった少年』、そのモデルとなったのは、パレスチナ自治区ガザ地区にある難民キャンプ出身の歌手「ムハンマド・アサーフ」です。
アラブで人気のオーディション番組「アラブ・アイドル」で優勝し、スター歌手となりました。
今年の夏、彼の撮影コーディネートをさせていただいたのですが、どこに行っても彼は大人気。
いつもファンにかこまれていました。
子供を抱いているのがムハンマド・アッサーフです↓。
映画『歌声にのった少年』は、今ちょうど日本で公開中ですので、ぜひご覧ください。
◇『歌声にのった少年』オフィシャルサイト
http://utagoe-shonen.com/
◇上映館
http://utagoe-shonen.com/info/
ムハンマド・アッサーフが育ったガザ地区は、種子島ほどの広さで、そこに約185万人が暮らしていますが、パレスチナ自治区には、もう一つ、ヨルダン川西岸地区があります。
この二つの地区は分断されており、つながっていません。
ヨルダン川西岸地区の面積は、5,655平方キロメートル、人口は、パレスチナ中央統計局によると、約290万人です。
ヨルダン川西岸地区
住宅
ヨルダン川西岸の中心都市ラマッラにある多目的タワー。
ホテル、レストラン、ショッピングモール、事務所、結婚式会場などがはいっています。
アラビックコーヒーを販売するお店
パレスチナには、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、3つの宗教の聖地「エルサレム」があります。
その旧市街は、「エルサレムの旧市街とその城壁群」という名で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
エルサレム旧市街の主要な門のひとつ「ダマスカス門」
ダマスカス門付近の路上で野菜を売るパレスチナ人女性達
狭い通りが迷路の様に続くエルサレム旧市街とオレンジ色の制服を着た小学生たち
エルサレムは、歴史的にも、長い間、その帰属が問題となっており、時事ニュースなどでもしばしば取り上げられます。
現在の地図では、エルサレムは、イスラエルとパレスチナ自治区のヨルダン川西岸の間に位置してます。
エルサレム新市街のユダヤ人が多く暮らす地区には、新しい路面電車が走っており、イスラエルの中心都市であるテルアビブまでは、新しい鉄道で結ばれています。
ユダヤ人地区の路面電車
しかし、その一方で、エルサレムからとパレスチナ自治区・ヨルダン川西岸の間には、長い高い壁があります。
そのため、ヨルダン川西岸からエルサレムに行くには、検問所を通過しなくては行けません。
その手続きは、1時間以上かかることもあります。
複雑な政治状況の中で、困難な暮らしを余儀なくされているパレスチナにおいて、ムハンマド・アッサーフは、希望を与える存在です。
ムハンマド・アッサーフ自身も、ふるさとをとても愛していると語っていました。