オマーンの水利システム「アフラージ」
昨日放送されたTBS『世界遺産』「オマーンの水利システム」はご覧になりましたでしょうか?
弊社は撮影コーディネートとリサーチを担当しました。
オマーンは、いい意味で、古き良きアラブを感じられる国です。
オマーン国の人口の大半は、北東部の海岸沿いと、標高2500mを越えるハジャル山脈周辺で暮らしています。
この地域には若干の降雨があるため、「アフラージ」と呼ばれる灌漑システムを利用した農業が行われています。
その起源は紀元前5世紀にまで遡るといわれています。
「アフラージ」とは、アラビア語の「ファラジ」の複数形で、「分ける」を意味します。
「アフラージ」のおかげで、少ない水資源を村人みんなに平等に分配することができ、生活用水を確保すると同時に土地を機能的に利用することが可能となります。
オマーンは、1960年代に石油の輸出を開始して以降、国庫が潤い、農業関連技術の開発と近代化の一環として「アフラージ灌漑システム」の維持補修が行いました。
古代の知恵によって生まれた砂漠の灌漑システムが、今なおオマーンの地で生きている。
そう思って「アフラージのある村」を歩いていると、どこか幸せな気持ちに満たされます。
オマーン国内には、数千に及ぶ灌漑システムがあるといわれていますが、そのうちの5つがユネスコの世界文化遺産に登録されています。