ドバイのラマダーン
日本のテレビでも、「ランダーン」という言葉が普通に聞かれるようになってきました。
ラマダーン中にテロが増えるというようなマイナスのニュースもありますが、イスラーム諸国で人々がラマダーンを楽しんで過ごしていることや、ラマダーンの意味を伝える番組なども見られます。
そもそもラマダーン月は、「断食」という言葉から想像されるような「宗教的厳格さ」よりも、「共同体の一体感」や「感謝の気持ちの再認識」という言葉のほうが、イメージとしてしっくりきます。
ドバイのラマダーンもしかりです。
ここは世界中から人々が集まる有名なアトランティスホテルのラマダーン・テント。
500人収容可能な大テントでとなっています。
ラマダーン中、レストランは、断食が解ける時間、つまり日没(マグレブ)まで閉まっています。
ビジネスオフィスビルの中にあるカフェなども、昼間は衝立を立てて外からは見えないようにしてあったり、公道で飲食すると警察から警告を受けたりします。
あと少しで、日没を告げる空砲が聞こえます。
それまでに、自分の皿に好きな料理を取って、日が沈んだらすぐに食べられるよう準備しておきます。
日没の空砲が聞こえたら、その日の初めての食事、いわゆるブレックファスト(朝食)になります。アラビア語では「イフタール」と言います。
このレストランでは、羊の丸焼きが大人気です。
私は、ムール貝、ハムールのグリル、そしてクスクスのサラダを選びました。
うーむ、美味しいそうなロースト。食べ過ぎないように気をつけないといけませんね。
遊牧民の伝統料理は大人気です。
ナッツ入りのデーツで飾られたなつめやしの木。
マカロンで飾られたモスクの尖塔。
予約しないと入れないことに納得しきりの豪華な食事でした。
楽しそうな会話が弾むドバイの若者達ですが、日没のアザーンが聞こえるとなつめやしの実だけを食べ、まずは日没の礼拝に向かいました。
豊かになったドバイで、若者の間にこうした信仰心が変わらずあることが、どこかすがすがしく、とても印象的でした。
この日がラマダーン月の最終日だからと、空砲を聞いてから、芝生でイフタールをとりに来た家族に出会いました。
ナツメヤシの実、サンブーサク、ハリーサなどの地元料理を私達にも分けてくださいました。
分かち合いの月、慈愛の月の「ラマダーン」が終わると、3日間のラマダーン明けのお祭りがやってきます。
このご家族、ラマダーン明けの連休は、旅行に出るんだそうです。
クル アーム ウェントゥム ビハイル!
イード・ムバーラク!
HAPPY EID!
ラマダーン月の1カ月間、毎日、ブルジュハリーハァタワーの前の日没を告げる空砲がドバイテレビで中継されました。
ドバイ警察の皆さん、本当にお疲れ様でした。