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アゼルバイジャンのキナリック村

アゼルバイジャン北部、大コーカサス山脈の中、海抜2300mに位置するキナリック村。
以前は1年のうち9ヶ月は雪のために孤立していましたが、2006年に大統領が訪問してアスファルトの道路が作られ、冬の間も完全に孤立することはなくなったようです。
裏を返せば、キナリック村が21世紀まで古の生活様式を維持することができたのは、この立地のおかげだとも言えるのですが。
彼らは、カティーシュ語という村独自の言語も持っています。
冬に孤立しなくなって現在でも、11月くらいになると、冬の厳しい生活を避けるため、近くのクバの街や首都のバクーに行ってしまう人も多いようです。

夏のキナリックはと言えば、さわやかな緑の美しい村です。


Credit:Gulustan


Credit:Gilad.rom

しかし、昨年9月末に村を訪れた際には、すでに雪が積もっていました。

雪が降り霧に覆われる悪天候の中でも、、、
キナリック村の人々は温かく迎えてくれました。

ジャラルさんは、妻と子供二人、父親との5人暮らし。

牛と羊がおり、農業に従事しています。
また、ロシア製の四輪駆動車を持っていて、村とグバの町の間で人や物を運ぶ仕事もしています。

羊は、この村の人々の主な収入源です。
男性は山で羊を飼い、女性は自宅でウールのカーペットを織ります。

このカーペットを織った女性のお孫さんがナティクさん。
妻と子供4人の6人暮らしです。

羊200匹と牛7頭、馬1頭を所有しています。

冬の間は羊をコーカサス山脈の南側へ移動させ、観光省のオフィスで働いているんだそうです。

彼の家は、先祖代々が住んできたもの。
近くの川に流れてきた石とキナリック地方にしかない特別な泥を使って造られています。
地元のその泥は、乾いた後は、雨や雪にも強く、湿気も通さず、冬には家の中を暖かく保ってくれるんだそうです。

「住宅を建設するための完璧な材料が全て家の近くで見つかるのは魔法のようだね」とナティクさんは話してくれました。

窓からの眺めは最高のはずなのですが、、、
この日は霧が濃く、ぼんやりしか見えませんでした。

この村にはガスがありません。
この地方では馬ふんと牧草の発酵熱を暖房に活用しているそうです。
それを夏の間に準備しておくらしく、家の周りにたくさん積まれていました。

料理にもこれを活用することもあるんだとか。

今年もまた後1カ月もすれば雪が降り、厳しい季節が到来するんですね。

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