ナイルデルタで川とともに暮らす人々(2)水門付近
古代エジプトの時代から、ナイル川の水門は、エジプトの農業、灌漑において重要な役割を果たしてきました。
現在、エジプトのナイル川にはダムも含めて10個の水門があります。
前回ご紹介したロゼッタ支流にも3つの水門があります。
その水門の一つの近くに遊園地がありました。
ナイル川から石段を登ってみたのですが、誰もいません。
暑さゆえ、日が暮れてから深夜1時までが営業時間のようです。
暑い国の子供達は直射日光を浴びながら昼間の遊園地で遊ぶなんてことはしないんです。
子供も大人も、太陽が沈んでから深夜まで遊びます。
水門近くに暮らす大家族に出会いました。
当初の目的地はこの豪邸だったんですが、住人は現在海外滞在中。
でも、おかげで、そのお隣さんと仲良くなりました。
お隣さんの家業は魚の養殖と農業の両方。
兄弟親族みんなで助け合って仕事をしているそんだとか。
お宅はナイル川から小道を10m上がったあたりにあります。
お隣の豪邸とは違って、外塗りもしていない家ですが、この家に20人が暮らしています。
中庭を覗いてみると、兄弟が地引網に鉛の錘をひとつずつ取り付けているところでした。
庭はナイル川沿いにもあり、そこでは木材で筏用の枠を作っていました。
家の隣には、オレンジやレモンの果樹園もあります。
「イスラム―では、分かち合って生きるのは普通とのこと。
親を大切にするのも当たり前のこと。
みんなで頑張って、たくさんのボラを外国にガンガン輸出するのが夢なんだ」
こんな素敵な笑顔で、そう語ってくれました。