ジョージア アッパー・スヴァネティの不思議な景色(1)
ジョージアの首都トビリシから車で12時間、ロシアとジョージアにまたがるコーカサス山脈の南、標高約2400mに位置するアッパー・スヴァネティには、石造りの塔が立ち並ぶ不思議な光景が広がります。
雪深い冬には車両通行ができない村や集落があちこちにありますが、その厳しい冬が終わると、一年で最も美しく緑のまぶしい夏が訪れます。
スヴァネティの中心の町「メスティア」
メスティアから南東45kmのところにあるウシュグリ村へと続く道
一年中雪化粧をしているシュハラ山と高山に咲く花々がとても綺麗です。
コーカサス山脈とイングリ川
アッパー・スヴァネティの村々には、1000年以上前の中世の時代に建てられた石の塔がそびえ立っています。
争いの絶えなかったコーカサス地方に住むスヴァン人達は厳しい環境の中で生き抜くためにこうした要塞住居を築きました。
塔は9世紀から13世紀に建てられたもので、高さは26m~30mほどです。
最上部には外部から敵が来た時に攻撃するための窓、石落としのアーチ形の窓が見られます。
塔の一階部分は台所になっていて、水や食料を保存する場所に使われていました。
また、マチュビと呼ばれる居住部分が付いており、冬には暖を取るために動物と同じスペースで生活していたんだそうです。
塔に連結する居住部分には、現在も、中世にこの塔を造った人たちの末裔が暮らしています。
彼らは、牛や馬、鶏を飼い、近くの山で、オレンジ、ジャガイモ、ニンジンなどの野菜を育てています。
ヨーグルト、チーズ、ピクルスは常備食。
冬を迎える前には、加工肉や小麦粉、ジャガイモなどの保存食も準備します。
(*続く)