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ジョージア アッパー・スヴァネティの不思議な景色(2)石の塔の建設

前々回ご紹介したジョージアのアッパー・スヴァネティ地方の石の塔について、もう少し詳しくご紹介します。

下の写真の塔は、すでに居住住分がなくなってしまったものです。

どの塔の入り口も、簡単には中に入れないように、地面より高く作られています。
塔は、侵略者が村の仲間でやってきた際にいち早く避難できるよう、同居親族ごとに建てられたそうです。

塔の中に入るとこんな梯子がかかっています。

侵略者に中に入って来れられないように、家族全員が上った後には、この梯子を引き上げて外し、石の蓋を閉めていました。

塔の一番上には、攻撃をするために使われた窓がありました。

下向きに開いた窓もあります。
侵略者に向かって石を投げたり、熱湯を落としたりもしたそうです。

この窓は、別の塔にいる村人とコミュニケーションを取るためにも使われました。
この窓からロープを引いておいて、隣同士外に出ることなく食料や水を送りあったりもしたそうです。



塔の建設は、近郊の山で採れる花崗岩、近隣で採れる石灰岩、砂で作ったモルタルを交互に積み重ねて行われます。
現在も同じ方法で修復しているそうです。

以前は、石の運搬に牛が使われていました。
夏の間に山の上で花崗岩を切り出しそのまま放置しておくと、冬に定期的に起こる雪崩によって山の麓へ落ちていくので、その石を拾って牛で村まで運んだんだとか。
現在は、牛ではなくトラックが修復用の花崗岩を運んでいます。

下の写真のロシア製トラックは何十年も使われているんだそうです。
まだまだ役に立っていますね。
ひっくり返ってしまいそうな山の斜面や川の中をどんどん進みます。

ユネスコの世界遺産にも指定されているジョージアのアッパー・スヴァネティ地方の世界で一つだけの特別な風景は、山脈と川に挟まれた雄大な山岳風景と大きな石造りの建造物のコラボレーションによって生み出されています。

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