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チュニジアの古都カイルアン ~ビルバルータ~

首都チュニスから160キロほど南下した内陸にある聖都カイルアン。
その歴史は古く、街は7世紀後半イスラム勢力のウマイヤ王朝が侵攻した頃から発展しました。
今現在も旧市街には中世の街並みが残されており、メッカ、メディーナ、エルサレムに次ぐ第4の聖都としてイスラム教徒の巡礼の地となっています。

そのカイルアンの街の旧市街にビルバルータと呼ばれる井戸があります。
大切な井戸を守るため、17世紀頃に井戸を囲むこの建物が作られました。


   
    
8世紀頃に見つかったこの井戸にはイスラム教の聖地メッカに通じるという伝説があり、聖水を求めて今でも毎日多くのイスラム教徒が訪れます。   

ラクダが滑車の周りをぐるぐると歩き、井戸の水を汲み上げてくれます。

壺の中はいつも聖水で満たされています。

聖水の後ろには鮮やかな色ガラスの素敵な窓があります。
鉄格子のデザインは、まるでズラビヤと呼ばれる小麦粉とはちみつで出来たアラブの甘いお菓子のようですが、
この種類の鉄格子の窓もまた、お菓子の名前と同じくズラビヤと呼ばれています。

断食の頃によく食べるお菓子ズラビヤ。
カイルアンの旧市街の中の市場でもたくさん売られています。
本当に鉄格子の装飾に似ていますね。


色ガラスの赤は太陽、緑は天国、青は空、この三色で平和を表しているんだそうです。
カイルアンの様々な場所でこの伝統的な配色が使われており、人々の平和への願いが伝わってきました。

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