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ソーシャルディスタンスのメッカ大巡礼(ハッジ)

イスラームの5行のひとつ、メッカ大巡礼(ハッジ)が、7月29日から8月2日までの5日間行われました。

毎年、世界中から200万人以上の巡礼者がサウジアラビアの聖地メッカを訪れるのですが、新型コロナウイルスの影響で、今年のハッジは、今までとは全く異なる状況で行われました。

巡礼者がカーバの周りを回るタワーフの例年の様子はこのような感じでした。

そして、今年の光景は、このような感じです。

Facebook「Masjid Al Haram」今年のタワーフの動画  (ここをクリックしてご覧ください!)

カーバについて少しでも知っている人にとっては、驚きの映像でしょう。

サウジアラビア政府は、全員の常時マスク着用はもとより、体温測定、消毒、ウイルス検査など、できる限りの感染予防対策を講じる決意とともに、国籍は関係なくサウジ国内在住の健康な者だけに巡礼を認めることを決定しました。
WHOも、2020年のハッジ巡礼者を制限するサウジアラビアのこの決定を歓迎しているとの報道もありました。

イスラム―の5行のひとつ、「ハッジ」は、健康や財力が許す限り、少なくとも一生に一度果たすべき義務とされています。
メッカ大巡礼に行くためにお金をため、早くから予約している人たちも世界にはたくさんいます。

ムスリムの多いインドネシアなどでは、「今申し込んで、実際にハッジに行けるのは40年後なんだ。今その予約をしておくんだ」というような話を何度も聞いたことがあります。
そう思うと、今年、ハッジに行く予定だった世界中の200万人を超える人たちが、来年、あるいは再来年、本当にハッジに参加できることを、そういう世界が来ていることを、心から願います。

巡礼には、年に一度の大巡礼(ハッジ)のほか、いつでも行ける小巡礼(ウムラ)があります。
今年1月、インドネシアのある企業が、史上初となる「DIYウムラ(小巡礼)プラットフォーム」を開設したという記事を読みました。
そこには、インドネシアから毎年100万人の巡礼者がメッカを訪れていることが書かれていました。

今年1月の時点では、新型コロナウイルスがその後の世界を一変させてしまうことなど、想像もしていなかったでしょう。

Withコロナの時代、人間は、知恵と対応力が試されているようです。
しかし、どんな状況にあっても、人間は、柔軟に、しなやかに、あらゆる局面に対応し続けていける力をもっていると、信じたいですね。

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