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種子島から打ち上げられたUAEの火星探査「アル=アマル」はアラブの希望 

2020年7月20日午前6時58分。
UAEの火星探査機「アル=アマル」を載せたH2Aロケットが、種子島宇宙センターから打ち上げられたことが、アラブでも日本でもニュースになりました。
「アル=アマル」は、UAEの建国50周年の2021年に、火星の周回軌道に到着する予定です。

「アル=アマル」とは、アラビア語で「希望」を意味します。
「UAEの次世代を鼓舞し、アラブ、中東の若者に可能性と希望のメッセージを送る」という思いをこめて命名されました。

時を遡って、1960年代初頭。
当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディは、
「1960年代が終わる前に、月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させるのが目標である」
と語りました。
有名なアポロ計画です。
このスピーチ通り、1969年7月、アポロ11号は、人類史上初めて月面着陸に成功しました。

UAEの初代大統領となるシェイク・ザーイド・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーンは、このアポロ11号の月面着陸を生中継で見ていたと伝えられています。
シェイク・ザーイドは、その後も、宇宙探査に強い関心を持ち続けました。
1976年には、アブダビで3人のアメリカ人宇宙飛行士と面会したそうです。
また、1973年には、当時のアメリカ大統領ニクソンから、アポロ17号が持ち帰った月の石の破片がプレゼントされました。
その石は、現在アブダビ首長国のアルアイン博物館に展示されています。

そして、、、、
2015年UAEナショナル・デイ。
そのお祝いの席で、駐米UAE大使ユースフ・アル=オタイバは、
「アラブ首長国連邦にとって、この計画は、ジョンF.ケネディ大統領のムーンショットのアラブ版です。」
と語りました。
前年7月に発表された『UAE火星ミッションEmirates Mars Mission:EMM』のことです。

このミッションによって、今年7月、日本の種子島から、前述のUAEの火星探査機「アル=アマル」が打ち上げられました。
また、2018年10月には、同じ種子島宇宙センターから、UAE初の国産地球観測衛星が、日本の国産大型ロケット「H-IIA」の40号機に搭載されて打ち上げられていました。

これらのミッションは、UAEの宇宙探査にとっては単なる入口に過ぎません。
2117年までに火星に居住地を建設する「火星移住計画」も発表されています。

この未来を見据えた夢のあるUAEの計画が日本の協力のもとに進められていることは、アラブと日本の間で仕事をしている私たちにとっても、大変うれしいニュースです。

心躍らせ、今後の展開にも注目していきたいと思います。

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