1枚の写真:イラク北部の町モスル(2021年2月)
3月7日、ローマ教皇フランシスコがイラク北部の町モスルを訪れたことがニュースとなりました。
歴代ローマ教皇がイラクを訪問するのは初めてのことだったそうです。
モスルは、イラク北部の中心的な都市です。
市街はチグリス川の両岸に広がり、5つの橋で結ばれています。
古代メソポタミアの時代、アッシリアの首都であったニネヴァは、現在のモスルの一部です。
イスラム王朝のウマイヤ朝、アッバース朝時代にもモスルは大きく繫栄し、インド、ペルシャ、地中海を結ぶ重要な商業都市でした。
そんな歴史のある誇り高きモスルの町ですが、2014年6月から2017年7月までの約3年間、ISIS(単に「IS」、もしくは「イスラム国」と訳されることもある)の支配下にあったことで、きな臭いニュースの中で耳にすることが多くなっていました。
ISISがモスルを解放し約3年半。
昨年以降は、ここモスルもまた、新型コロナウイルスの世界的大流行の中にあります。
先月、そんなモスルのスークでとった写真を1枚ご紹介します。
山積みのがれきの中でいまだ多くの困難を抱えているモスルではありますが、再建された店に買い物に来ている人々の姿を見ると、ここにも確実に人々の暮らしがあることが実感できます。
世界中のどんな場所にも、どんな時にも、日々の営みがあることをいつも感じます。
この1枚の写真の中にも、一人一人の暮らしのたくさんの「一瞬」が詰まっているような気がします。