サウジアラビアの玄関口「ジッダ」と聖地「マディーナ」
サウジアラビア第2の都市ジッダ。
紅海の東部に位置するこの港町は、その美しさから「紅海の花嫁」と呼ばれています。
サウジアラビアの商業や観光の中心でもあります。
イスラームの二大聖地であるメッカとマディーナへの玄関口として、ジッダには世界中から多くの巡礼者がやってきます。
ジッダのキング・アブドゥルアズィーズ国際空港には「ハッジ・ターミナル」という特別なターミナルがあり、ハッジ(メッカ大巡礼)の時期だけ使用されます。
設計を担当したSkidmore Owings and Merrill (SOM)によれば、デザインにはベドウィンのテントの形状を用いているとのこと。
真っ白なテント屋根が整然と並んでいる外観は美しく、建設当初は建築デザインとしても注目されました。
コロナ以前、毎年100万人以上の巡礼者を受け入れていましたターミナルですが、今年はどうなるでしょうか?
また、2017年には、ジッダからメッカやマディーナへ人々を運ぶ待望のハラマイン高速鉄道が開通しました。
様々な問題が起こったために工事は遅れましたが、困難を乗り越え何とか開通に至りました。
最終的に総工費は当初の予定を大幅に上回り、2兆円を超えたという報道がありました。
また、開通後にも、ジッダ駅最上階の大規模火災による高速鉄道完全停止のトラブルなどが発生しました。
ジッダ駅の巨大水槽
ジッダメトロ駅
現在も利用者は当初の予想より大幅に少ないようです。
豪華絢爛な内装のジッダ駅が、巡礼者であふれる日が待ち遠しいですね。
ちなみにですが、イスラム教の2大聖地,マッカとマディーナには、非イスラム教徒は原則訪問できません。
前述のハラマイン高速鉄道が完成してからは、空港に併設されたメトロの駅から鉄道でマディーナまで行くことができるようになり、マディーナ郊外の一部地域には非ムスリムでもチェックなしに入れるという情報もあります。
しかし、在サウジアラビア日本国大使館のHPに「マッカ,マディーナは訪問できないことをご承知おきください」と書かれているように、非ムスリムが安易に訪問しようとするのは避けたほうがよさそうです。
というわけで、マディーナの預言者モスクとその周辺の写真を少しだけご紹介します。
ジッダの「ハッジ・ターミナル」のテント屋根のデザインが美しいと書きましたが、預言者モスクの屋外空間にも開閉式の日よけのテント屋根が並んでおり、その光景は圧巻です。
屋根は日が沈むと閉じられます。
閉じている途中はこんな感じ。
預言者モスクの中にはこんな荷物預け所があります。
預言者モスクの近くのマディーナの街の様子です。
預言者モスクに隣接したエリアは建設ラッシュでした。
※上の写真は2016年当時のものです。
当時は、サウジアラビアでも、マーズ(MERS/中東呼吸器症候群)の患者が出ていました。
しかし、MERSコロナウイルスは新型コロナウイルスとは異なり、人から人への感染力はきわめて弱いものでしたので、メッカとマディーナを訪れる巡礼者にあまり影響はありませんでした。
そうそう、ジッダで、地元の人がこんなことを言っていました。
「聖地のあるサウジでは、猫もお祈りをするんだよ。」
礼拝用カーペットの上で気持ちよさそうですね。
次回もジッダからお届けします。