5周年を迎えたルーブル・アブダビ
久しぶりにルーブル・アブダビを訪れてみました。
2017年にオープンしたこの美術館は、2022年11月で5周年を迎え、新しい展示や様々なイベントが行われています。
※2017年11月のオープン直後に初めて訪れた時のブログ記事はこちら→。
オープン時に絵画『アルプス超えのナポレオン』があった場所には、『考える人』の彫刻で有名なオーギュスト・ロダンのブロンズ彫刻『武器への呼びかけ』が展示されていました。
ルーブル・アブダビが2020年に購入した作品の一つです。
現在の目玉の一つ、パブロ・ピカソの『青い服の女』。
これは、パリのポンピドゥー・センターから貸し出されたものです。
ルーブル・アブダビの展示は、先史時代から現代にいたるまでまで、年代順に並んでいます。
古代エジプトの遺物もあります。
入って最初の第1ギャラリーの床には、「東京」と「富士山」の文字が……。
様々な言語で書かれた世界の地名が連なっています。
アート作品もさることながら、ルーブル・アブダビのもう一つの魅力はやはり建築です。
設計したのはフランスの建築家のジャン・ヌーヴェル。
見どころはなんといってこの建物を覆っている重さ7500トンのドーム。
ドームを支える4本の柱の間の距離は110メートルもあるんだそうです。
ドームは、外側にステンレス鋼4層、内側にアルミニウム4層、合計8つの層が重なっており、7850の星が複雑な幾何学的構造を作っています。
構造設計を担当したのがビューロハッポルド事務所だということも是非付け加えておきたい点です。
空から注がれる太陽光は、この8つの層で「ろ過」され、やさしい光のまだら模様を壁や床に映し出します。
これが、まさにジャン・ヌーヴェル言うところの「光の雨」です。
ジェニー・ホルツァーのこの作品↓にも「光の雨」が映し出されています。
この作品には、シュメール・アッカド語、アラビア語、フランス語の3種の文字が書かれており、ルーブル・アブダビの多文化的な起源と歴史への普遍的なアプローチが反映されているんだそうです。
アラビア語部分には、イブン・ハルドゥーンの『歴史序説』の一節が含まれています。
すべての作品の鑑賞が終わった後、最後に通るこの空間。
ここはいつ来ても心が癒されます。
ナツメヤシの木々の木洩れ日のようで。
ここの「光の雨」を是非体験してほしいです。
美術館の後、イエメン料理を食べました。
直径60cmのこのお皿。
3人分だそうですが、とても美味しかったにもかかわらず、倍の6人で食べても食べきれませんでした(笑)