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ルクソールのスフィンクス参道

エジプトのスフィンクスと言えば、ギザの三大ピラミッドの前に鎮座するスフィンクスがすぐに思い浮かびます。
ライオンの身体と人間の顔をもった巨大な建造物。
ギザの三大ピラミッドとともに、いまだに多くの謎について語られる存在です。

高さは65フィート(約20m)。
前足から尾までの長さは240フィード(約73m)以上。
記念碑的彫刻作品として世界最古、世界最大規模です。
紀元前2500年頃、カフラー王(古王国第4王朝のファラオ)よって建造されたと考えられています。

ちょうど本日付けの『NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナルジオグラフィック)』(英文)でギザの大スフィンクスが取り上げられていました。

●Who built the Sphinx? Who broke its nose? 4,500 years later, a fresh look
(スフィンクスを造ったのは誰? 誰が鼻を折った? 4,500年後の今、改めて考える)

この記事では、スフィンクスに関して、長年の考古学的調査から分かったことがまとめられています。
「スフィンクスの大部分はギザの石灰岩から直接彫られており、一部石灰岩のブロックが追加されていること」
「スフィンクスの一部に青、黄、赤の顔料の痕跡を発見されており、かつてはカラフルな装飾が施されていた可能性が高いこと」
「1世紀のローマの作家大プリニウスが、スフィンクスの顔が赤いと描写していること」
「古代ギリシャのスフィンクスが、女性の頭、ライオンの体、鳥の翼を持つ危険な怪物であったこと」
などについても書かれていますので、興味のある方はナショジオの記事を読んでみてください。

しかしながら、古代エジプトで造られたスフィンクスはこれだけではありません。
さらに、人間の頭だけではなく、羊、ハヤブサ、ワニ、ジャッカルなど動物の頭のものもあります。
アブ・シンベル神殿のラムセス2世神殿で発見された一対のスフィンクスの頭はハヤブサでした。紀元前13世紀のものです。

そして、ここでやっと本題です(笑)。
ルクソールには、1000体を超えるスフィンクスが並ぶ「スフィンクス参道」があります。
カルナック神殿とルクソール神殿を結ぶ2.7キロメートルの古代の道の両側には、1000体を超えるスフィンクスが並んでいます。


ルクソール神殿とカルナック神殿を結ぶ道


カルナック神殿の入口の第一塔門前にはヒツジの頭をしたスフィンクスが並ぶ


ライトアップされたスフィンクス

砂に埋もれたスフィンクスが再発見されたのは1949年のことでした。
その後2000年までにこの参道のスフィンクスについて様々なことが解明され、2005年から参道の修復を開始。
2017年に再開された本格的な修復の結果、2021年11月に復元が完了し、一般公開にこぎつけました。
復元を祝う盛大な式典では、シシ大統領らが見守る中、400年前のオペト祭が再現されました。

この参道のスフィンクスには、ライオンの身体と人間の頭を持つもの以外に、雄ヒツジの頭とライオンの身体を持つもの、頭も身体も雄ヒツジ(アメンを象徴する動物)があります。

カルナック神殿とルクソール神殿、そしてその両神殿をつなぐスフィンクス参道は、数ある古代エジプトの素晴らしい遺跡の中でも、「絶対に見逃せない」と断言できる遺跡です。

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