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日本も協力しているエジプトの風力発電

エジプトの東紅海沿岸のリゾート地「エルグーナ」へ向かう道中、代わり映えしない風景に突如風車が出現します。
風車は10kmにわたって続きます。

実は、この「ガルフ・エル・ゼイト地区」の風力発電事業には、日本の企業「豊田通商」がかかわっています。
1990年代以来、発電所や変電所建設プロジェクトなどエジプトの電力ビジネスに参画してきた同社ですが、2017年以降は「ガルフ・エル・ゼイト地区」におけるエジプト初の独立系発電業事業(IPP)に出資参画しています。
一件目は、2019年12月に竣工して現在稼働中。
二件目は、2023年3月に着工し、2025年8月の商業運転開始を目指して現在建設中。

人口が増加し続けるエジプトでは、安定した電力の供給のため、また、火力発電に偏重していた電源構成にバランスを持たせるため、再生可能エネルギーの導入が推進されています。
現在の計画では2035年までに総発電量の42%が再生可能エネルギーとなる予定だそうです。

スエズ湾沿岸は年間を通じて風力発電に適した場所だと言われています。
ガルフ・エル・ゼイト地区の独立系風力発電事業よりもずっとから、スエズ湾沿岸では風力発電が行われていました。


*https://d-maps.com/の地図を元にBackbone作成

ガルフ・エル・ゼイトから約100㎞北にあるザファラーナ地区の風力発電を偶然目にしたのは十数年前のことでした。

行けども行けども、3枚羽の未来的なデザインの風車がたくさん回っている光景に、当時興奮したのをよく覚えています。

ザファラーナはかなり風が強い地域です。
南で熱せられた空気が上昇気流を起こし、そこへ北から空気が流入してきて、強い風が起きるんだそうです。
地上40m、50mにある羽のあたりはさらに強い風が吹くのでしょう。

ザファラーナに初めて風車が建設されたのは2001年5月。
その後、デンマーク、ドイツ、スペイン、日本などの協力により、風車はどんどん増えていきました。
2007年4月11日付のアルアハラーム紙によると、エジプトは、国内での風力発電の割合を将来的には60%にまで引き揚げたいと考えていたようですね。
その道のりはまだ半ばですが、今後も、先を見据えて、着実に前進していくことを期待しています。
エジプトの未来のために。

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