カイロのラマダーン2024(1) ラマダーン飾り
カイロは今ラマダーンの真っ最中です。
ラマダーンとはイスラム暦の9番目の月のこと。
ムスリム(イスラム教徒)は、1か月間、夜明け前から日没までの間、水、食物を問わず口から体内に入るものを断ちます。
それだけ聞くと厳しい規則のように感じますが、高齢者や病人、旅人など、個々人の状態に応じた例外規定があり、無理を強いるようなものではありません。
むしろ、多くの人が、ラマダーンを1年で最も楽しみな月だと感じているようです。
今年のラマダーンは、エジプトでは、西暦2024年3月11日から始まりました。
(イスラム暦の1日は日没とともに始まるので、正確には3月10日の日没からになるのですが。)
ラマダーンを迎える1か月以上前から、お店では「ファヌース」と呼ばれるラマダーンのランプが売られ、街角やスーパーではラマダーンの楽しさを歌う音楽が流れ、徐々にラマダーン気分が盛り上がっていきます。
ファヌースや飾り付け用品を売る店
大きさや見た目にも色々種類があります。
夜空に浮かぶファヌース
また、街路にも、ラマダーン前から、ラマダーン飾りがあふれるようになります。
大通りのきらびやかなイルミネーションはもちろんのこと、庶民的な地区の奥まった路地にもビニールテープなどで作った飾りがたなびきます。
そうした場所では、住民が費用を出し合って飾り付けているだそうです。
決して豪華とは言えない装飾ですが、無数のテープが夕日や夜の電灯に照らされ、風に揺れる様を見ていると、そこに暮らす人々のラマダーンへの想い、地区への愛情、一体感が伝わってくるようで、心を動かされます。
ラマダーン月だからこそ見られるカイロの風景ですね。
(次回に続く)