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カイロのラマダーン2024(2)イフタール

ラマダーン月の日没後の最初の食事は「イフタール」と呼ばれます。

自宅で家族と食卓を囲むのが慣習になっており、日没の1、2時間前になると、家路を急ぐ人で街があわただしくなります。
イフタールのために、オレンジやタマリンドのジュースをボトルで買ったり、クナーファやバスブーサ、シロップ漬けのナッツ入りスイーツなどをお土産にしたり。


左:ナッツ入りクナーファの一種 右:バスブーサ 

ちなみに、エジプトの母の日は3月21日なのですが、その日は、花を買っている人も多く見かけました。

もちろん、日没までに自宅に戻れる人ばかりではありません。
職場の仲間とイフタールをともにする人もいます。
日中野菜や果物を売っていた人たちが台車の側に集まって食事をしていたり、大工さんや職人さんたちが工務店の店先にテーブルを出して一緒に食べていたり。
夕暮れの光の中、そうした光景を見ると、気持ちが温かくなります。

ラマダーン月はとりわけ共同体内での善行が奨励されています。
経済的に余裕のある人が無料でイフタールの食事を提供する「慈悲のテーブル」が街のそこかしこに設置されます。
日没のアザーンが鳴っても働いている人のために、せめて喉の渇きを癒すようにと、通り過ぎる車やバスの運転手に紅茶やジュースなどを無料で配っている人もいます。

イフタールの後の過ごし方は、皆それぞれです。
日没後に毎日放送されるラマダーンの連続ドラマを見たり、タラウィーフと呼ばれるラマダーンの特別礼拝のためにモスクへ赴いたり、街やスポーツクラブに遊びに行ったり。
ちなみに、今年のドラマは11世紀から13世紀にかけて活動したとされるシーア派分派の暗殺集団伝説に基づいたストーリーで、大きな反響を呼んでいます。

今年のラマダーンも残すところ1週間ちょっと。
とあるプロバイダの広告の閉め文句、「いつも皆でフィタールを共にしよう」の言葉通り、カイロの人々の絆が一層強く感じられるラマダーンを、もう少し楽しみたいと思います。

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