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アスワンのヌビア村「ガルブ・ソヘイル」

20世紀になってエジプト南部のナイル川に2つのダムが建設されました。
1902年に完成したアスワンダムとその貯水量不足を補うために1970年に完成したアスワンハイダム。
それによって、巨大な人造湖のナセル湖が生まれました。
アブシンベル神殿などいくつかの遺跡が湖に沈むこととなり、国際的な救出作戦が繰り広げられたことは以前のブログでも書いたことがあります。
その時、遺跡だけでなく、この地域に暮らしていたヌビア人の村も水没しました。
そんな移住を余儀なくされたヌビア人たちが現在暮らしている村のひとつが、今日ご紹介する「ガルブ・ソヘイル」です。


ヌビア人は、エジプトのアスワンからスーダンのハルツームに至るナイル川流域の地で古くから暮らしてきた民族です。
スーダンのクシュ王国を築いた歴史があります。
古代エジプトの壁画やレリーフには、傭兵や商人の姿で描かれていますが、第25王朝でファラオになったこともあります。
*昨年8月に放送されたNHKスペシャル『エジプト悠久の王国 追跡! 謎の王ブラックファラオ』の再放送の際には是非ご覧ください。


ヌビア人たちは、どこの土地へ行っても、独自の言語や文化、伝統を守りながら暮らしてきました。
現代では、アラブ文化の影響を受けてはいますが、他のエジプトの町や村にはないヌビア独特の特徴があります。


「ガルブ・ソヘイル」にはアスワン市内からボートやファルーカ(帆船)でナイル川を渡ってアクセスします。


船着き場のあたりは様々な店や人で賑わっています。


この村の注目は、なんといっても、カラフルな色使いと個性あふれるデザインの建物です。
家の外観しかり、インテリアしかり。
細部にまでこだわって手作りで造られています。








特に目立つのはワニのデザインです。



家の入口にワニのはく製を飾っている家がいくつもあります。




一部の家では、赤ちゃんの頃に捕獲したワニをペットとして飼っており、大きくなったらナイルに戻すんだそうです。
でも、もしペットのワニが死んでしまったら、ミイラにしてそばに置いておくとか。
決して売り買いの対象ではないとのこと。





世界でも有数の暑い土地で、地元の日干し煉瓦を使ったエコ建築をみんなで協力して造り、ワニとともに暮らす。
そんな暮らしにみんな誇りをもっているようでした。

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